後輩の悩み相談

〜相談内容とアドバイス

私の所属する部署は大きく分けて4つのチームがある。

入社5年目の私は8月からチームリーダーとなった。

 

今回は別のチームの入社3年目の女の子(以下Aちゃん)から受けた相談について書いていく。

相談内容はこうだ。

※『新入社員の業務内容の理解が乏しい。あと2ヶ月後には次の新人が入ってくるのにこのままだとやばいのではないか。』

私たちの仕事は少し特殊で、教育訓練を経てスキル付与後に実務ができるようになるのだが、実務に移るまでに非常に時間がかかってしまう。

新人は自分たちの思うような仕事らしい仕事というものができず、不満が溜まったり、モチベーションの低下に繋がっているのかもしれない。

私は先輩としてどうアドバイスすれば良いのか非常に悩んだ。

 

さらに話を聞いていくと、新人の中には、①メモを取らない人や、②普段何をやっているのかわからない人③業務の優先順位が分かっていない人がいるそうだ。

これに関しては新人のせいではなく私たち先輩に原因があると言える。

 

①メモを取らない人には、言われたことが覚えられないようであれば必ずメモを取りなさい。というだけで解決する話だ。あの子は何でメモを取らないんだろう、とこちらが不満に思ったところで何も改善されない。

 

②普段何をやっているのかわからない人がいることについても、先輩の責任だ。新人の管理は先輩が行わなければいけないと私は考える。私の部署ではOJT制度を設けているはずだが、そこでのコミュニケーション不足が大きく影響しているのではないだろうか。

 

③業務の優先順位が分かっていない人についても、先輩の責任だ。何を優先すべきなのか最初から分かる新人なんていない。頼んだ仕事に対して、先にやって欲しいこと、優先すべきことは予め伝えておくべきだ。仕事を頼む時は必ず期限を伝えなければいけない。業務を行う上で、ゴール(期限)がなければいつまでもだらだらと取り組まれる可能性があるからだ。

 

この3つを踏まえると、どうやらAちゃんのチームでは新人が悪いのではなく完全に先輩が新人を管理できていないように感じる。

一方、私のチームでは新人は朝礼後と帰宅前に必ずOJTの先輩のところへ行き、今日の業務に関する連絡や報告を行なっている。これにより先ほどの①〜③は全て解決するのではないかと思った。なので、Aちゃんにも同じようにしてみてはどうかとアドバイスをした。

 

では、戻って冒頭の相談内容の件。

※『新入社員の業務内容の理解が乏しい。あと2ヶ月後には次の新人が入ってくるのにこのままだとやばいのではないか。』

この件に関しては実際の業務に直接関わることができない環境にしてしまっていることが大きな原因であり、新人もAちゃんたち後輩も悪くない。完全に部署全体の責任である。つまりチームリーダーを務めている私にも非がある。少しやり方を考えなければ。

私の普段の対策としては、見学可能な作業については必ず新人を1人入れている。スキルがなくても一緒に作業できることはなるべくやらせるようにして現場に立ち合わせている。

Aちゃんのチームではこれが私のチームより少ない気がする。

 

 

〜Aちゃんのチームの状況〜

Aちゃんのチームリーダーは私の同期(男)だ。(以下Bとする)

私はAちゃんの相談内容(※)をBに伝えたところ、

「まあ、ほったらかしにしてしまっているからねえ」と言われた。

能天気な男だ。

Aちゃんが別チームの私に相談する理由もわかる。

私が女性だから話しやすいってのもあるかもしれないけど。

 

Aちゃんが言うには、私のチームと比べ自分のチームはちょっとゆるい空気が流れている感じがすると言っていた。

個人的にはピリピリしているよりは良いと思う。ダメなことはダメとはっきり言い、ちょっとでも成長を感じたり出来たことに対して褒めることができる人が一人でもいれば良いと思う。Aちゃんはそれができる子だと思う。

ちなみにAちゃんは配属時は私の後輩だった。昔私がAちゃんに対して怒った(?)話をされたけど、今となってはそのとき怒られた理由が非常によく分かる。と言ってくれた。なんて良い子なんだ・・・

 

私とBのチームはそれぞれ約15人。これをチームリーダー1人が全員の状況を把握、まとめるのは非常に難しい。だからこそBだけを責めることはできない。

Bのチームにはもう一人の同期と4年目の後輩が1人いる。私はその2人にもう少しBの業務をサポートするようにお願いしようと思う。なぜなら私は、同じチームの後輩(4年目)と先輩(7年目)に仕事を直接お願いするし、なんなら2人は自ら動いてくれるため非常に助けられているのだ。

一方Bは、全て自分でやろうとする人で、同期も4年目の後輩も言われたらやるといった感じだ。悪く言えば『言われなきゃ動けない』のだ。私が「全部Bがやらなくても良いのでは?やっておいてもらいなよ。」と言うけど、あんまり聞いてくれない。きっと指示を出すことすら億劫なのかもしれない。Bにはもう少し自身の業務負担を減らして、チーム全体を見れる余裕を作ってもらいたいと思う。Bの性格を踏まえた上で、Bから2人へ業務のサポートのお願いをするよう促すのではなく、2人に状況を説明して自ら動いてもらう方が手っ取り早いという結論に至った。

 

 

〜自分の中の善と悪〜

時々自分のお節介な性格が嫌になる。

自分のことだけやれたらどれだけ楽だろう。なんて考えてしまう。

毎日残業してさ、本当は自分のことで精一杯なんだもん。

世間一般の入社5年目って自分の仕事に集中してバリバリ働くってイメージ。

はっきり言って私やBの責務は入社5年目にしては荷が重い。完全にキャパオーバー。

上長は私やBに対して、本当によくやってくれている。と褒めてくれるが、私は褒められて当然だ。と思っている。(褒められた時は「いやいやそんなことないです。まだまだです。」なんて謙遜するところが日本人だなと思う。)

 

私もAちゃんと同様、後輩の教育に悩んだ時期があった。

後輩に不満や苛立ちを感じるのは、自分の中でこのくらいはできるだろう。という期待をしてしまっているからだ。自分が当たり前と思っていることでも後輩たちにとっては当たり前ではない。ついつい怒ってしまうことはあるけど、感情に任せて怒るのは絶対にNG。できなかったことだけを伝えるのではなく、何故ダメなのか本人に考えさせることが重要。そして少しでもできていた部分があれば、ここは出来ていたから良かったけど・・・と少し褒めてあげることも大事。きちんと後輩の目線になって一緒に考えてあげたり、求めるラインは個々のレベルに合わせてあげることが重要なのだと思う。

いくら教育を受けたからといって、実際の現場に入ってすぐに動ける人なんていない。私はとりあえず先輩と一緒に現場へ放り込んで、先輩にアドバイスを受けながら体で覚えてもらうしかないと思っている。結局、実務を覚えてもらうには経験数をこなしていくしかないのだ。